って話
今回は理論めいた話というより、どちらかというと本来あるべき雑記なのですが。
例えば私は、名のしれた芸能事務所(主に声優と呼ばれるマネージメントが多い方向の)に籍を置いていました。
まず、多くの場合、基礎科と呼ばれる養成所の最初のクラスから飛び級して研究科という最終クラスに行ったのですが。
事務所に在籍してから様々なワークショップに参加して”技術(芝居力)”だけを追い求めてきました。
当時から個人的な感想として思うのは、養成所のレベルはぶっちゃけ低いです。
私が普段から参加させて貰ってるWSや、海外の演技作法を参考にしたり自分が最も過酷だと感じた毎日行っているトレーニング法の方がキツイと思うくらい低かったです。(ココに入る前に体験入所や見学も多くして吟味したうえでの話。)
興味のない人にとっては、声優や俳優のアクターズスタジオ、専門学校に入って何かをしていると聞かされれば なにか凄い事をしている! と思うのも無理もありませんが、
してません。 ハイ
1割(という私の知らない可能性)はしているのかもしれませんが、
どこもかしこも 演劇のルーツであるとある国の体系を学んでいる だとか、音声学的あるいは耳鼻咽喉に関する医学知識、言語学的知見があったりする人が(厳格に知っている必要もありませんが)教えているのかと言えば全くそうではありません。
よく、声優の多くが突発性難聴や、ポリープ、声帯手術などを行うことがあります。
これは、耳鼻咽喉学的に無理のある発声法をしているからなのです。(元々、体質的に弱かった例もあるでしょうが)
勿論、演技なので必要ではありますが医学的知見を正しく習得していれば最悪の事態を避ける事も可能だった筈です。
そして、知ってもらいたいのが、
多くの養成所生、志願者、事務所の経営者、現役の役者の多く(主に声優、アニメ方面)は全面的に”オタク”です。(昔はそもそも、声優は売れない俳優の雑仕事だったので異なりますが。)
勘違いしてほしくないのは、”オタク”といっても厳格的な”芝居オタク”(戯曲とか)ではなく、現代的な”アニメ”オタクです。
悪いことだ、とまでは言いませんが、何が言いたいかというと 正しく舞台の歴史を学び、芸術的な芝居そのものに知見のある者ではない という事です。
(※もちろん、芝居とは一般人も多くの人が毎日、意識的に行っていることであり特別なことですらありませんが)
日本のジャパニメーションサブカルチャーとでもいいましょうか、その歴史に魅入られた人 が殆どであるということです。
だから例えば、声優志望者の多くに”身体では演じるのが恥ずかしいが、声なら行けると思った” ”◯◯に会いたかった”などが挙げられますが、
動機としては不純ですがそれでも売れたりしていますし、これは事務所にマネージメント側として入ってくる人もこういった動機の人は多いです。
故に、”オタクではない”人は馴染めません。
例えば、わかりやすく言うとアニメに興味ない陽キャタイプの人とその逆の人です。
混ぜるな危険の代表格だとは考えられませんか?
私の場合は、陽キャという程ではありませんがアニメは対して興味ありませんでした。
なので、これから目指す人はサブカルオタクであった方がウケが非常によろしいです。
ここからは私の感想なのですが、個人的に目指している段階から現代の人気職である声優と過去の職人芸であった頃の声優とでズレている事を黙認していました。
それでも、現代でも希望はあるのではないかと思って直向に躍進し続けていたのですが、
私の場合は、所属後にやはりアイドルとしての側面が強くなってしまったのだな と確信に変わってしまった次第です。
仮に私が続けていても、籍を置いているだけのタレントにはなれていたでしょうが、
それで満足する器ならば、役者として誰かに認めてもらいたいが為の小さな器量だったのか?
でも、事務所と契約している以上フリーとしての活躍は制約があるからどこかで踏み出さないといけません。
となってくると、判断は早いほうが良いわけです。
現役の役者でさえ、その厳格な芸術史や発声学に知見がある人はほんの一握りです。(資格化していいものでもないので、ケースバイケースですが。)
例えば声優のラジオや個人のブログ等で、こういった芸術史について話されている方を知っていますか?私は知りません。
つまり、厳格な芸術史や音声学について知らなくても成立するのが日本芸能であり、そういった功利主義的な価値観ではなく力だけを求める技工派の人はお呼びでないのです。
前にも記載したかもしれませんが、これは会社員と酷似しています。
本当に技術ある人よりも上司や世間に正論を言ってケンカを売らない隷属を必要とするのと同じです。
私も騙されたのですが、それでも日本芸能関係はあたかも自分たちが正しく芸というそのものを作り出したかというような顔をし、
現代のニーズがどうとか、芝居力がどうとか 嘯きます。
そんなビジネスに騙されないで欲しいということです。
ぶっちゃけ、ボカロPとして曲を出したほうがそのへんの所属アーティストより一人でやっている分マージンはありませんから収入も多いです。
個人の時代に戻ったのだから、もっと広い視野で、プロなどという肩書に惑わされないで下さい。
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