良い声は人間側が訓練によって作り出している、そう思っていませんか?
実はこれ、9割間違いなんです。
もちろん、役者や歌手側が訓練して得られる効果もあるでしょうが、そもそも”良い”声とはなんなのでしょう?
周波数もありますが、結局は”感覚” つまり好みなんですね。
なぜそうなるのかについて紐解いていきましょう!
”声”とは、”音”です。
音とは空気の波状振動です。それを耳で聞き取ります。
しかし、人間の耳は残念ながら”良い”音を聞き取るために最適化された器官ではありません。
視覚、目は虹彩、角膜、水晶体、網膜、瞳孔などの様に非常に繊細な器官が密集していますが、耳はそれよりも大雑把に外耳道、鼓膜、耳小骨、蝸牛、耳管となっています。(半規管は平衡感覚を司るので本件とはあまり関係がない)
外耳道は雑菌の侵入を防ぐための耳毛と、共鳴作用を生じ特定の周波数2-5000hzを増幅させます
鼓膜は耳小骨に振動を伝えるための膜です。
耳小骨は周波を更に増幅させツチ骨などの更に小さい器官へ伝達します。
耳管は気圧差に対する防御(対応)です。
1. 外耳(耳介・外耳道)での共鳴増強
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耳介と外耳道が共鳴箱(レゾネーター)として機能
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約 2,000Hz - 5,000Hz の音を自然に強調(+10~15dB)
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→ 言葉の明瞭度を高める(特に子音)
2. 中耳(鼓膜・耳小骨)での機械的増幅
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鼓膜 → 耳小骨(ツチ骨 → キヌタ骨 → アブミ骨)を通じて振動を伝達
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小さな音でも内耳に効率よく伝えるために、30倍以上の増幅を行う
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→ 振動エネルギーを効率的に増やし、聞こえを向上させる
3. 内耳(蝸牛・基底膜)での周波数分解
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蝸牛内の基底膜が、周波数ごとに異なる場所で振動
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2,000Hz - 5,000Hz の帯域に特に敏感(言語の重要な成分を検出)
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聴覚神経が信号を増幅して脳に送る
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→ 音をクリアに認識し、言葉を理解しやすくする
つまり、雑に言うと視覚と比べると聴覚は音を増幅させ効率よく脳に伝える(特定の言語音を聞き取りやすくする)、音量や気圧差、雑菌からの防衛の
為に進化の過程で最適化された言語専門情報伝達器官と言え、視覚ほど繊細ではなく、”音楽”や”心地よい音”を聴く為に作られているワケではありません。
よく高い楽器と安い楽器の音をプロの奏者が判別できないのはその為です。(弾く場合は触覚と視覚による弾きやすさも介入するので弾いたらわかるかもしれません)
声帯も同じで、非常にデリケートな器官で筋トレの様に鍛えたり、腹筋をすれば良い声になるものでもありません。
また、生身で聞いた音は能が勝手にピッチ補正をかけ、多少音程がズレていても勝手に合わせます。(録音すると効かなくなる。ので、MIX側でピッチ補正する。けど、音程が的確すぎると逆に変に聞こえる現象もある)
人間側で出来る範囲は非常に狭く、凄まじく曖昧なのです。
では、そんなやや大雑把な器官と”良い”声という曖昧な感覚の中で、なぜ良いと思える音が存在するのかの答えが ”環境”と”機材”になります。
耳はともかく、音そのものは非常にデリケートな存在で、”場所”の影響を強く受けます。
例えば、スピーカーを角に置くと低音が強調されたり、温度差によって上昇したり下降したりします。
デッドとライブ という音響用語があります。
デッドな音場特性とは、声優レコーディング等で使われる特性で、外部からの音の侵入を遮断し、内部で反響した音を吸音します。
そうすると、ノイズが無くクリアで、音声が強調されます。
ライブとは、デッドの対義語で、ライブパフォーマンスをするために音は殺さず、そのまま伝達しやすく適正方向に拡散させ客に臨場感を届けます。
そして、この音場特性というお膳立てをされた空間と更に芝居向け、歌向けに最適化された機材とMIXソフトがあります。
つまり、人間の発声(音)は始端にすぎず、聴衆は声優さんだから良い声を出せるんだ!と思いがちですが、聴衆の耳に入るまでに工事した人、機材を作った人、ソフトを作った人、ソフトを使ってマスタリングする人、環境を用意する人など何人ものスタッフの手がかかっているという事です。
Vチューバーやミュージシャンも同じです。クラシック演奏家ですら現在では最適化されたコンサートホール、マイク、スピーカーがありますから同じです。
そう聞くと、個人では不可能なんじゃないか!?と思うでしょう まずスタジオを用意して10万以上の高い機材を買って・・・
そんなことはありません! これも説明します。
まず機材について
ある巷では100万クラスのASMRマイクを見せつけたり、レコーディングスタジオのマイクは最低でも10万以上かかっていると豪語していますが、
ブランド物のカバンや洋服と同じ様に、高い=良いではありません。
声優が使うマイクも、複数人が長く使う耐久度やスタジオには多くの専用機材がありますから、それと接続するための規格合わせ料(特許、ライセンスとか)もコミコミの値段でああなっています。
要は、個人が一人で家で使い、PCとしか接続しないならそういった耐久度や規格料は入りませんから、余計なものをいれずに性能だけに注力できます。
なので、そんなに高いマイクを買う必要もありません!
それよりも、これまで話した通り”場所”の方が重要です。
マスタリング(MIX)についても、現在は無料で高性能なDAWソフトもありますし、何を隠そうレコーディングスタジオにあるアンプ等の機材がソフト化されたものが詰まっていますので、家で高品質な作品を作る事は可能となっています。
(MOOG3Cという有名な タンスがイメージしやすいですが、色々なハードシンセたちがPCに入ったのは革命でした!)
問題は音場ですが、これも現代ではMIXの手によってノイズ除去とクリアな効果がけは可能になっているので、よほどヒドイ状況で録音しなければ通用します!
私も実際にヨド●シカメラの方で、全てのヘッドフォンを視聴しましたが、個人的には3万以上はもはや好みの次元です。
聞いている環境や再生している機材にもよりますし、
楽器も同じですが、人間の耳がボトルネックになるので、音そのものを加工したり特性の用途向けにしたりするしかないという事になりますね!
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